
愛媛大学人文学会では、この度、〈ことば〉の世界をめぐって、お二人の先生方を講師に迎えご講演いただきます。坂口周輔先生には、フランスの詩人マラルメの詩のことばとその奥側に湛えられた世界について、徐敏徹先生には、ことばを超えた人間の表現のありかたについてお話いただきます。講演を通して、私たちと常にともにある〈ことば〉について、じっくりと考えてみませんか。
[坂口先生の講演内容]詩を読むという行為には、常に困難が伴います。説明文や日常会話とは異なり、詩では曖昧さが前面に現れ、理解を拒むようなところがあるからです。しかし、そこにこそ詩を読むことの楽しさがあるのではないでしょうか。今回は、「否定」や「仮定」を何重にも織り込み、明快さとは対極にある「暗示」に満ちた詩を書いたフランスの詩人ステファヌ・マラルメの一篇を取り上げます。詩をじっくりと読むことで、詩を読むことの喜びや、一語一語を吟味する奥深さ、さらには詩を翻訳することの難しさを、少しでもお伝えできればと思います。
[徐先生の講演内容]私たちは、過去とか現在、未来といった「時間」に関することがらをことばで表現するときに、さまざまな語彙や文法形式を用います。ことばで表す「時間」は、あくまで抽象的です。それを補うかのように、私たちは無意識に身ぶり(ジェスチャー)を使って、「時間」を「空間」として目に見える形で具体的に示そうとします。おもしろいことに、このジェスチャーは一様ではなく、国によって異なる傾向が見られます。この講演では、ことばとジェスチャー、時空間の関係を取り上げ、人間の表現のありかたを改めて見つめ直したいと思います。

